プレアデス星茶会客人
プレアデス星茶会客人ーThe Keeper of the Bowl (水盤の守人)
セラミック
2025
w 20cm × d 20cm × h 32cm
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ワビーニョサビーニャは、
宇宙人です。
様々な惑星から地球にやってきたので、
色や形はさまざまです。
みんな頭が器になっているので、お茶やお酒やお菓子や、
脇道に咲く小さな草花、きれいな砂浜のさんご、光る小石、
あなたが美しいと思ったもの、好きなもの
なんでも入れてあげてください。
彼らは頭部のうつわから地球の情報を集めて、
その情報を宇宙の図書館である金星に送ります。
金星に集められた美しいものの情報は
やがて宇宙の端々の生まれたての
星々の栄養になります。
ワビーニョサビーニャの頭に色々なものを入れて
地球の恵みの素晴らしさ、あなたが日々の中で感じる
この世界の美しさを教えてあげてください★
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**プレアデス茶会譚・特別編
— 星々の中央に立つ“花水盤の守人(もりびと)”**
プレアデス星団の中央付近には、
他の客人たちよりもひときわ大きく、
静かで荘厳な影が佇んでいた。
その存在は、ワビーニョやサビーニャたちが
「古(いにしえ)の守人(もりびと)」と呼ぶ客人。
頭の上には水盤のように広がる花器があり、
そこには星の光を受けて咲く“宇宙花”が
静かに揺れていた。
水はどこから来るのか。
花はどこから生まれるのか。
誰も知らない。
ただ、その水盤は
プレアデスの七つの星の光を集め、
その反射で宇宙花が開き、
花の揺れで星々の息遣いが読めるのだという。
この夜も、昴に静かな茶会が開かれた。
ワビーニョたちは星の風の庭で輪になり、
茶の湯気に七つの星の輝きが反射して
淡い光の層をいくつも描いていた。
そこで守人は、
茶会の中央に立ち、
水盤の花々を揺らしながら
全体の調和を見守っていた。
花器の水面には、
星風の揺れが一瞬ごとに映り、
その揺らぎが茶会に集う
仲間たちへの“静かな合図”となる。
ワビーニョたちは
その合図を読むように
一服ごとに呼吸を合わせ、
宇宙の静寂と星たちの脈動に
自分たちの心を調和させていった。
ふと、プレアデスのひとつが強く瞬いた。
そのとき、水盤の花がふるえ、
守人の影の内側で
金色の微粒子が舞い上がった。
それは星々から届いたメッセージ——
“昴に新しい風が生まれた” という知らせだった。
守人はゆったりと首をかしげ、
水盤の花を通して星々の方角を見渡した。
その動きひとつで、茶会の全員は
次の一服のタイミングを知る。
星の声、花の揺れ、客人たちの呼吸——
それらがひとつに重なると、
茶会の場はまるで
星団全体が心臓となって動きだしたように
静かに脈を打ち始めた。
ワビーニョたちはその中心に立つ
花水盤の守人を見上げ、
その大きな影の中に
“昴そのものの意志” を感じていた。
茶会の終わり、
守人は水盤の水をひとしずく地面に落とした。
その瞬間、青白い光が波紋となって広がり、
星々の庭全体に薄く柔らかな輝きを与えた。
それは——
「今日の茶会は満ちた」という
守人からの静かな宣言。
すべての客人が深く礼をし、
昴の夜はゆっくりと深く呼吸をはじめた。
こうして、
星の中心に立ち、
花と水と光で茶会を調える“花水盤の守人”は、
プレアデスの永遠の調和を見守り続けている。
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